KASANEIROME 1150

王朝人は纏う衣服が日本の風土に合う形で変遷を遂げる中で、
自然の豊かな色を四季折々に応じて繊細に染め分け、
着分けることで、その美を結実させてきました。

その代表的な表現である「かさね色目」は『源氏物語』などの平安文学が花開いた
千年以上も前から記録が残る、日本独自の色彩文化です。

「かさね色目」は時代を経ていく中で、徐々にその数を増やしながら体系化され、
公家山科家に伝承された説では江戸時代に200種類以上の組み合わせが存在し、
それぞれの配色には銘が付けられています。

かさね色目は「タイムカプセル」のように現代まで受け継がれ、
千年前の王朝人の瑞々しい自然観や感性を宿しています。

本プロジェクトでは、その洗練された視覚的な作法を窓口とし、
背景となる宮廷文化と美しい精神文化を現代に繙いていきます。

寄稿文

高田装束研究所

高田 明男

四季の移り変わりと湿潤な気候、緑に恵まれた美しい自然に育まれて、
平安時代に国風文化が形成されました。

近世後期以降「かさね色目」という語が使われるようになりましたが、
正倉院宝物にも見られるように、すでに奈良時代でも表地と裏地の色を異なるものにし、
配色に気を配るようになりました。

昭和二年に髙田義男は植物染料による染色技法の研究成果として
「和染わぞめ鑑かがみ」を発刊し貞明皇后ほかに献上。その後山科言綏閣下にご協力を賜り、
昭和十八年に「かさね色目」を作成、宮中や山科家に献上されました。

息子髙田倭男はさらに美しい色標本製作を志し、
昭和六十三年に色標本「かさね色目」を発行し、宮中や山科言泰氏に献上されました。
この度お声がけいただき、ご参加させていただくこととなりました。